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捻くれた想い、繋ぐカフス

Category: SS > ショート  
10期開始した頃に節目だし、と公開しようと思ってた事
10期RP内で色々フラグを立ててこの結果に至りました

魔女さんからも許可済み

元々当部隊恋愛に重きを置いてないので設定自体ふんわりとした存在でしかなかった
シュヴァのキャラからして『まともな恋愛してない』のは確か
シアにも恋愛の過去はあるし、おシャルに至っては『愛』が解らない子

11期にはその辺りちょっと公開しとこうかな、とは思いますが恋愛する事はなさそうです
まぁ、コイツに綺麗な恋愛とか向かないんだよなー、が本当の所

想い合ってるけど言わない。そういうスタンスが好きです
未満的なヤツ






『伝えたい事とか、ある?』


それまでベッドで跳ねたりしていた身体が思い出したように向き直る
控えめにだが確実に何かを聞き出そうと試みた少年の双眸がじっとオッドアイの眸を見つめた


『誰に何を』


聞く必要がないとでも言うようにゆっくりと瞬きを一つした男が深くベッドに腰掛け足を組み直した

一時的に訪れた静寂
男は思案するように首を傾げ薄く笑みを讃えた後、一呼吸で言葉を紡いだ

「そっちの詳しい時間軸は分からない、それが通じるかも分からんが――…」


【捻くれた想い、繋ぐカフス】


初めて顔を合わせた時はニコリとも笑わない、愛想の悪い女だった
あれ程まで男を毛嫌いするような女と接触するのは初めてで、扱いに悩んだのは事実


とんでもなく捻くれ素直でもない、常に感情を表に出すものかと鉄仮面


熱くなって無駄に体力を消耗するほど言い争いをしてみたり
アイツといた時間は随分と足早に過ぎ去ったように思う

冷静を装った合間にチラリと見え隠れする本心に気付いたのはいつ頃だっただろうか
それがアイツの本心だったのかは分からない

少しずつアイツが笑うようになって、いつしか特別な存在になっている事に気付いた
が、言葉にする事はなかった

自惚れていると一刀両断されるかもしれないが
恐らくは、アイツも少し位その気にはなってたと思う

アイツには帰る世界がある、何れこの地から離れるだろう
そう思えば、口にする必要はないと思えた

こうして同じ地に足を付けていられる間、少しでも深く長く、傍にいれるならそれでいい



所詮、苦しむだけなのだから、と――…



この考えが働いた時、随分保守的な人間になったものだと自嘲した
これが10代の時ならば突っ走っていただろう、アイツが苦しむ事すら考えずに


仮に、アイツがそれを認め言葉にしていたなら――…
否、それでも受け取らなかったかもしれない、その行為で傷付けるとしても

アイツが修行でこの地に辿り着いた事も、修行を終えれば元の世界に戻る事も、父が健在である事は知っていた
肉親から引き離すような事はしたくなかった


だからこそ、アイツの傍に居られる間はアイツの力になっていたかった
傍に身を置ける貴重な貴重な時間


ただ――…この地でアイツの最後を見届けた時、一つだけ後悔が残った


それを、彼に託そう






「“色男とデートする前に消えたお前は人生の9割損してる”と伝えてくれ」
「うん、メモしといた。忘れもしないだろうけど。ちゃんと伝えるよ」


煙草を咥えた男が呼吸を繰り返すように紫煙を燻らせる
嫌な顔ひとつせずメモに刻んだ少年が顔を上げ、微かに笑った


「なんていうか、シュヴァお兄さんらしいね」
「アイツが嫌な顔すんのが目に浮かぶな。こっちの物は持って行けるんだったか?」
「僕は持って行けるよ、理良は制限されてただけ」


咲耶は事細やかに分かり易く説明してくれた。

咲耶と理良の間には50年の時間差がある事
50年後も咲耶は生きていて理良に悪態をついてるという事


つまり咲耶が自分の世界に戻った時、『理良』はまだ生存している


耳に付けていたカフスを片方外し咲耶の掌に乗せた


「アイツから貰ったものだ、セットになってたんだが片方アイツに渡してくれ」
「へー、あいつが、異性にプレゼントとか何かもう…想像がつかない」
「普通に貰ったワケじゃない、ちょっとしたゲームで勝ったらやるって言うんでな?」
「あー、あいつゲームとか好きだったもんね。赤い方なのに意味ってあんの?」


“赤い方”は石の事を指しているのだろう


「さぁて?あるかもしれないし、ないかもしれない。どっちだろうな?」
「僕相手に変な駆け引きしなくていいじゃん!あいつには言わなけりゃいいんでしょ、教えてよ」
「変な駆け引きしてるつもりはないが、咲耶はその石が何だか分かるか?」


掌でころころ泳がせたカフスをじっと見つめる咲耶がうーん…と唸る


「あんまり石って詳しくないんだよね…赤いから、賢者の石かな!」
「賢者の石だったらびっくりするな、まぁ、ルビーだ。宝石言葉ってのも結構あるらしいけどな」
「あー、ルビーか…。宝石言葉って、花言葉みたいなもの?赤いから、愛とかそーゆーのだったりして!」


恥ずかしげもなく紡ぐ咲耶に薄く笑って、煙草に手を伸ばした

キンッ!
甲高い音と石の擦れる音、オイルの香り
換気の意味も含め窓を少し開けると風に乗るように紫煙が緩やかに流れる


「【愛】のキーワードはある。まあ、それだけじゃなく全体ひっくるめて、アイツは赤だと思った」


だからそっち側を渡すんだ。と付け加え深く吸った煙を吐出す


「…責任もって、渡しておく」
「嗚呼、頼む」



あの時言わなかった事を今ここで言うのは狡い事だ
だからそれは言葉にしない
言葉にしなくてもアイツは――…理良は理解するだろう


そうしてきっと


「捻くれた返答がくるんだろうな」
「……捻くれないように真顔で伝えておく」
「いや?捻くれて構わん、捻くれるってのは真意が伝わってるからだ。アイツらしい」
「どっちも素直じゃないね…」
「らしい、だろ?」
「そうだね」
「戻ってきたら、結果教えてくれ」
「うん、ちゃんと戻ってくるよ。次はこの姿じゃないかもしれないけど」


咲耶の掌にしっかり握られたカフスを一瞥し、トンッ、と煙草を叩いた――…


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